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着物大事典

【特集版】着物コラム

十人十色の羅漢像と美しい観音像が残る愛宕念仏寺・泉涌寺

京都名所特集と銘打ってご紹介するのは、京都にある神社仏閣の特徴や歴史についてです。細かくご紹介して、観光などの際に役立てていただきたいと考えております。第5弾の今回は愛宕念仏寺(おたぎねんぶつてら)と泉涌寺(せんにゅうじ)です。

 

●愛宕念仏寺

京都市郊外、嵯峨野の奥深くにある天台宗の仏教寺院が愛宕念仏寺です。愛宕山の山麓入口にある嵯峨野巡りの出発地点です。称徳天皇の命により奈良時代に東山の祇園近くに建てられた寺で、平安時代に荒れ果てて鴨川の洪水によって廃寺同然になっていたものを醍醐天皇の命により復興されました。しかし、その後も興廃を繰り返しました。

1922年に東山から現在の嵯峨野の奥深くに移管され、山奥の森林の中に隠れるように建っています。愛宕念仏寺の見どころは境内の至る所につくられた1200もの羅漢さんの石像です。羅漢とはお釈迦様の行為の直弟子の僧のことです。お釈迦様がなくなる時に立ち会った羅漢さんが500人であったことから五百羅漢で知られています。その100年後に700人の羅漢さんが結集して教えを正しく広めるための勉強会を開いたといわれています。この念仏寺では1981年に当時の住職が、寺が栄えることを祈願して、1200体の羅漢さんの石像をつくって境内を埋め尽くそうと祈念。一般の参拝者に石像を彫って奉納することを呼びかけたといいます。その発願によって境内の至る所に羅漢像がつくられ、10年後の1991年、ついに1200体の羅漢像が完成しました。

一般の参拝者が彫った石像はどれも小さいものですが、笑っているものや笛を吹いているもの、ボクサーの格好をしたもの、動物を抱いているもの、酒を酌み交わしているものなど姿も表情も様々で、1200もの石像がズラッと並んだ光景は実に圧巻です。境内ではどこにいても羅漢さんの姿が見れますが、手造りのほのぼのした姿は見る方の心を和ませてくれます。自分の好きな羅漢さんを探しに見に行かれるのも良いかもしれません。

ユニークな点は、この寺の現在の住職西村公栄氏はギター・シンセサイザーの演奏もできる作曲家でもあります。布教の一環として音楽により仏の教えを表現しているそう。様々なコンサートを行い、テレビにも出演経験があり、制作したCDもすでに23枚以上。警告の保津峡が近く、山中に響き渡る洋風な音楽に耳を傾けるのも乙なものではないでしょうか。

 

●泉涌寺

東山三十六峰の一つ月輪山の麓に紅葉の名所で知られる東福寺があります。その東側に泉涌寺という由緒ある寺院が鎮座しています。1218年、月輪大師による創建で、境内には仏殿、舎利殿、霊明殿、御座所などの立派な仏像が建てられています。昔から朝廷の信任が厚く、歴代天皇や条項が深く信仰されており、お墓も置かれたため、「御寺」とも呼ばれています。その広い境内の一隅に「楊貴妃観音堂」という立派な建物がある。なんとここはあの中国の楊貴妃の観音像が祀られています。楊貴妃といえば中国は唐代玄宗皇帝の妃で、世界三大美女に数えられるクレオパトラや小野小町とともに世界三大美女に数えられている美女です。あまりの美しさで玄宗皇帝が寵愛しすぎて戦乱を起こし、最終的に殺害されてしまいました。しかし、中国の楊貴妃の仏像がなぜ京都の寺にあるのでしょうか。しかもこの楊貴妃観音像には口ひげがあるといいます。楊貴妃を殺害された玄宗皇帝は悲嘆し、等身大の大きさの座像で楊貴妃にそっくりな観音菩薩像をつくらせたといいます。この像はまるで楊貴妃が生き返ったようにそっくりだといわれています。その後、月輪大師のお弟子の湛海律師が宋に渡ったとき宋の僧侶から他の仏像などとともにこの観音像を託され、日本に持ち帰って泉涌寺に安置されました。以後、寺では700年にわたりながらく秘宝としてきたが、昭和30年から一般公開されています。

観音像は宝冠のあざやかな色は衰えず、面長でふっくらとした頬、堀が深い目鼻立ち、口元などはこの上なく気品にあふれ、楊貴妃を連想させる美しさです。だが、面白いことに口元を見ると気品あふれる顔に似つかわしくない口ひげが生えているように見えます。実はこの口ひげに見えるものは慈悲を表す口の動きや説法を表現したもので、ほかの仏像にもみられるものなのです。この楊貴妃観音は、美容祈願、結婚祈願、縁結び祈願などにご利益があるといわれており、美人で名高い楊貴妃にあやかりたいと訪れる女性は今も多いといいます。

 

いかがでしょうか。十人十色の姿かたちをしている羅漢像が並ぶ愛宕念仏寺、唯一無二の美しさを持つ楊貴妃観音像が鎮座している泉涌寺をご紹介しました。仏像などがたくさん鎮座されている京都ですが、この2つの寺院のように知られづらい場所もあります。どちらも観光にはもってこいのスポットですのでぜひご検討ください。京都観光の際には着物をレンタルして行かれるとより当時の感覚になれると思います。京都には着物レンタルVASARAは3店舗構えております。ご利用の際は合わせてご検討下さい。

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