金沢三文豪にふれる旅
金沢三文豪とは、金沢出身の「泉鏡花」「徳田秋声」「室生犀星」の三人のことです。金沢で育った文豪たちの歴史、人となりを知ることができる記念館を訪ねてみませんか?
#徳田秋声記念館
徳田秋声記念館は、人気の観光スポットである金沢の歴史と情緒のある街並みが残る《ひがし茶屋街》から歩いて数分のところにあります。
自然文学の代表作家として有名な秋声は浅野川近くに生まれ、文学を志して上京し尾崎紅葉の門下に入りました。代表的な作品「黴」」をはじめ「町の踊り場」「縮図」など多くの作品を世に残しました。常設展示室には数々の遺品、直筆原稿、筆跡、初版本など、貴重な資料が数多く展示されています。和紙人形シアターや体験コーナーなど五感を使って作品の世界や金沢に触れられるコーナーもあります。また、秋声の家は今も東京、本郷にあり、都の史蹟に指定されていますが、記念館には書斎が再現され、老眼鏡をはじめ硯、たばこ等の愛用品が展示されています。
#泉鏡花記念館
泉鏡花記念館はかつて泉家があった場所に建てられています。鏡花が生まれ育った当時の街並みの面影を色濃く残す地域にあり、浅野川、主計町(かずえまち)ひがし茶屋街と隣接しています。幼いころに母を亡くした泉鏡花は明治、大正、昭和にかけて亡母憧憬を基底とする浪漫と幻想の世界を紡ぎだしました。多くの小説や戯曲を生み出した鏡花はやがて浪漫主義の大家と称され「義血侠血」「高野聖」「天守物語」などの傑作の数々は舞台や映画、漫画という手法によっても表現され、日本のみならず、世界中の人々に愛されています。この記念館に足を踏み入れると感覚的に引きずり込まれるような怪しい空気が漂っています。「高野聖」一場面、旅の僧侶が通った「蛭が雨のように降ってくる森」を再現した作品や音とジオラマで不思議な恋の物語「春昼」を紹介するコーナーは何とも言えない不気味な感じがあります。常設展示室には「生涯と作品」「終の棲家―番町の家」「美と幻想の水脈」「鏡花本の世界」をテーマに自筆資料、初版本こだわりの遺愛品が展示されています。「鏡花本の世界」では現在では再現する事ができないほど凝った作りの本の装丁、美しい表紙や口絵などを見ることができます。
#室生犀星記念館
室生犀星記念館は生家後に立つ記念館です。「ふるさとは遠きにありて思ふもの」の詩(「情景異情その二」)で知られる室生犀星はこの地で生まれ、すぐ近くの「雨宝院」で育ちました。周辺には犀星が育った雨宝院、犀星が愛した犀川詩碑のある「犀星みち」など犀星文学の原風景を訪ね歩くこともできます。犀星は詩、俳句、小説、随筆、童話など幅広いジャンルを手掛け、数多くの作品を残しています。記念館の館内、吹き抜けの壁には、グラフィックで作られた初版本の表紙が、下から上に向かって年代別に展示されており「愛の詩集」から「好色」までおよそ160冊にのぼります。「心の風景」と題されたコーナーは、犀星が好きだった庭造りをイメージした《中庭》犀星がこよなく愛した庭を現代風にアレンジした庭石、犀川の流れをイメージした池を二つ配しており、つくばいや石塔は犀星の庭に実際にあったものです。また、娘で随筆家の故、室生朝子氏のインタビュービデオを見ることができます。企画展の展示コーナーや音声で作品を紹介するコーナーもあり、本人の朗読を聴くこともできます。その中には校歌もあり犀星が作詞したのは26校、金沢だけでなく東京の小学校の校歌も作っています。
いかがでしたか?日本の近代文学には欠かせない三人の文豪を生んだ金沢、にぎやかな観光地を巡った後は、しっとりと着物姿で三文豪たちに思いをはせてみてはいかがでしょうか。そして、着物レンタルを検討されている方は着物レンタルVASARAがおすすめです。
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