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【特集版】着物コラム

龍安寺には素晴らしい石庭があります

京都名所特集と銘打ってご紹介するのは、京都にある神社仏閣の特徴や歴史についてです。細かくご紹介して、観光などの際に役立てていただきたいと考えております。第8弾の今回は龍安寺(りょうあんじ)です。

 

●龍安寺

京都市の北西、北区にある金閣寺から仁和寺に向かう通りは「観光ロード」といわれる。

その道の途中にある龍安寺は、枯山水の石庭で世界的に知られる。この一帯は金閣寺、等持院、仁和寺が並び建ち、嵯峨野も近く人気のスポットで観光客も多く訪れる。

龍安寺は、室町時代の管領で実力者だった細川勝元が、 一四五〇年に創建した禅宗寺院である。石庭の人気の秘密は、この庭にさまざまな謎が秘められていて、鑑賞した者がその謎をそれぞれ考えることが面白いからといわれる。

まず、石庭の作者、作庭年、造形の意味が不明で謎のままである。

石庭は境内の北側にあるほ方、つじ丈よ、つ (本堂) の前にあり土塀に囲まれた長方形の空間である。幅二二メートル、奥行一〇メートルでそれほど広くない。ここに白砂が敷きつめられ、 一五個の石が置かれている。砂と石のほかは何もなく、石の配置も一見すると意味がないように思える。

室町時代の日本庭園といえば、池泉回遊式庭園で池と木や草の緑が欠かせないが、枯山水の庭には何もない。この何もない空間がじつは字宙を表し、白砂の波紋が水の流れを表しているという。何もないところに美を見出す日本人ならではの感性の表現だという。

また別の説では、中国の庭園にならって白砂は海を、一五個の石は鳥や山を表しているという。点在する石は北斗七星で、白砂は字宙そのものを表現しているという説もある。

さらに謎なのが、 一五個の石の配置である。方丈殻から見ると、石は七、五、三個ずつ置かれており、「七五三配石」といわれる。 また庭をどの方向から見ても、必ず一個の石が他の石に隠れて見えなくなるように配置されている。どこから見ても一五個すべての石をみることはできないのだ。

なぜこんな配置にしたのか。 一説には、中国の数字の思想によるという。十五夜というように、十五は中国では完全数である。しかし「物事は完全になったときからくずれる」という考え方があるので、十五に一つ足りない十四に見えるように工夫したという。

あるいは、「虎の子渡し、 といって、大河を前にした母トラが、子トラを連れて渡ろうとしている様子に見立てているという説もある。