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着物大事典
花火大会や夏祭りなど、夏は浴衣を着て出かけたいイベントが増える時期。夏休みなどの長期休暇で旅先の温泉や旅館を訪れた際に、浴衣を着る機会もあるでしょう。
浴衣の着付けは着物よりも簡単といわれていますが、普段着物を着ない方だと、襟はどちらが前になるように合わせるのかなど、わからないことも多いのではないでしょうか。
この記事では、浴衣の襟はどちらが上になるのか、基本的な着付けや着崩れた場合の直し方など、浴衣の着付け初心者向けの基礎知識を解説しています。
<浴衣レンタル VASARA>
襟の合わせ方には「右前」と「左前」の2種類がありますが、浴衣や着物の襟は、右側が前にくる「右前」になるように合わせます。
襟の右側が前にくる「右前」は、着物や浴衣を着るうえでの基本となります。このときの「右側」とは、「相手から見たときの右側」である点に注意が必要です。
「相手から見たときの左側」の襟が前にくる「左前」は、一般的に死に装束で使われる方法とされています。そのため、通常の着物を左前で着用するのは縁起が悪いとされています。
間違えて着物や浴衣を左前に着てお祭りやイベントなどへ出かけてしまうと、恥ずかしい思いをすることにもなりかねません。自分で着付けをする際には、左前になっていないか確認するようにしましょう。
日本で着物が着られるようになったばかりのころは、着物の着方には特にルールはなかったようです。着物の襟合わせなどのルールが定められたのは、奈良時代に制定された制度が起源といわれています。
着物の着付けに関するルールは中国から日本へと伝わったもので、日本も中国にならい、右前で合わせるようになりました。
浴衣や着物の襟は「右前」と覚えても、自分から見てなのか、相手側から見てなのか迷ってしまうこともあるでしょう。右前がどちらになるのか迷った場合は、以下のポイントを参考に確認してみてください。
「相手から見て右側が前」だとわかりにくい場合は、「自分から見て左側が上、右側が下になるように合わせる」と覚えてみましょう。
「右前に合わせる」と覚えても迷ってしまう場合は、「右側の襟が自分の体のすぐ前にくる」と覚えるのも、わかりやすくておすすめです。
「相手から見て右側が前(または上)」「自分から見て左側が前(または上)」「右側の襟が自分の体のすぐ前」のいずれかで覚えておくとよいでしょう。
男の人の浴衣の襟合わせについても、女性の着付けと同様に右前で合わせます。洋服の場合、シャツのボタンホールなどの位置が女性と男性では逆となるため、着物の場合も逆になるのかと迷うことがあるかもしれませんが、和服は女性も男性も右前で着ると覚えておきましょう。
浴衣の襟の合わせ方がわかったところで、浴衣を着る際の準備についても見ていきましょう。
浴衣を着る際には、事前に以下の準備を行なっておくようにします。
前年に着て収納していた浴衣を着る場合は、着る予定の日よりも早めに出しておき、シワを伸ばしておきましょう。シワ以外にシミや汚れなどがないかもチェックします。
当日に浴衣を出して着る際にシワやシミが見つかって慌てることのないよう、余裕を持ってチェックし、必要ならクリーニングへ出すことをおすすめします。
浴衣を着る際に必要な小物がそろっているかもチェックしておきましょう。浴衣と合わせる小物として、以下のようなものが挙げられます。
草履や下駄:前年に使ったものがある場合、汚れやダメージがないか、鼻緒が切れていないかなどをチェックします。特に長い距離を移動する場合は、疲れにくく足に合ったものを選ぶようにしましょう。
バッグ:浴衣に合うバッグも準備しておきます。籠型のバッグや和柄の巾着などがおすすめです。大きめのバッグは浴衣と合わせるのが難しくなりますが、小さ過ぎても荷物が入らないため、持っていきたいアイテムの量に合わせて選びます。
浴衣や帯、草履などの色柄と合わせるのもおすすめです。
ヘアアクセサリー:ヘアアレンジで使用するアクセサリーも、事前に用意しておきます。花や和柄のチャームが付いたクリップやピン、かんざしなど、浴衣に合うものを選びましょう。
浴衣用の肌着:浴衣を着る際のインナーとして、専用の肌着の着用がおすすめです。汗を吸い取って着物が汚れるのを防ぐだけでなく、下着の透け防止にも役立ちます。
腰ひも:浴衣や着物を体に固定するために使うひもです。浴衣の場合は、2~3本準備しておきましょう。
コーリンベルト:腰ひもを結んだあと、襟を留めるために使うベルトです。伸縮性があり、両端がクリップのようになっています。
コーリンベルトがなくても腰ひもで代用は可能ですが、襟を美しく合わせて着崩れしにくくするために、持っておくと良いアイテムの一つです。
伊達締め:腰ひもやコーリンベルトを使ったあと、帯を巻く前に固定する際に使用します。種類は、ひもで結ぶタイプのものと、マジックテープで留めるタイプのものに分けられます。伊達締めも着崩れを防ぎ、美しく浴衣を着るのに便利なアイテムです。
前板:帯の見た目を美しく仕上げるため、帯を巻いた内側に挟みます。浴衣を着る夏場では、通気性の高いメッシュ素材のものがおすすめです。
浴衣を着る前の準備が整ったら、実際に浴衣を着てみましょう。浴衣の基本的な着付け方法は以下のとおりです。
浴衣用の肌着があれば着用し、浴衣に両腕を通していきます。このとき、背中部分の縫い目が背骨の位置にくるように合わせましょう。浴衣の中心がずれていると、うまく着付けることができなくなります。
中心を合わせたら、浴衣を右前で合わせていきます。裾はくるぶしに合わせ、床と平行になるようにします。このとき、右側で位置を決め、左側を重ねるようにしましょう。
裾と襟を合わせたら、腰ひもを巻いていきます。腰ひもは、ウエストよりも下の位置で巻きましょう。着崩れしないようにしっかりと結び、結んだら浴衣のシワを伸ばします。
腰ひもを結んだところへたるんだ布をかぶせるようにして、おはしょりを作ります。浴衣の両脇の開いている部分(身八つ口)から手を入れて、おはしょりが重なっている部分を引っ張って形を整えましょう。
片手で襟の前合わせの部分を持ちながら、もう片方の手で背中の布を持って前後に引っ張り、衣紋を抜いていきます。衣紋は、こぶし1つ分程度抜くのが目安です。
衣紋を抜いたらコーリンベルトで襟を固定してシワを伸ばし、伊達締めを巻いたら帯を結んでいきます。
帯の結び方にはさまざまな種類がありますが、どの結び方でも着崩れしないよう、力を込めてしっかりと締めることが大切です。
最後に、浴衣が着崩れないようにするためのポイントと対処法についても見ていきます。
うまく着付けができても、歩いたり座ったりするうちに着崩れてしまうこともあります。洋服を着ているときと同じように動いていると着崩れやすくなるため、普段より小さな歩幅で歩くようにする、椅子には浅く腰かけるといった所作を意識するようにしましょう。
着付けの際は、腰ひもや帯をしっかりと結ぶようにします。少しでも緩みがあると、歩き方や座り方に気を付けていても徐々に帯や浴衣が緩み、着崩れの原因となってしまいます。
しっかりと着付けて、所作に気を付けていても、混雑している場所や足もとの悪い場所などでは着崩れが気になってくる場合があります。そのようなときでも対応できるよう、簡単な着崩れの対処法を覚えておきましょう。
胸もとが緩んだらおはしょりの下を引っ張って整え、帯の上の背中部分が緩んだ場合は、おはしょりの後ろを引っ張って調節しましょう。おはしょりが崩れた場合は、左から右へしごくように動かしてシワを取ります。
自分で着られるか不安な場合や着崩れが心配な場合は、プロの手で着付けてもらうのがおすすめです。
VASARAではレンタル当日の予約も可能で、着付けからヘアセットまでプロにお任せできるため、安心して浴衣を楽しめます。
浴衣や着物の襟は右前になるのが正しい合わせ方で、「相手側から見て右が前」「自分から見て左が前」のほか、「自分の胸のすぐ前に右側の襟がくる」といった覚え方があります。左前は縁起が悪いとされているため、着付けの際は逆にならないように注意しましょう。
浴衣を着る際は、事前にシミやシワがないかチェックし、小物なども準備してから着付けていきます。腰ひもや帯はしっかりと締めることや、浴衣を着た際の所作に気を付けることで、着崩れを防ぐことが可能です。自分で美しく着付けられる自信がない場合は、プロのサポートを受けることも検討しましょう。
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